Last Update 28 Feb.2001 
ア レ ル ギ ー
  発 現 機 序 疾  患
1型 IgE が関与する 即時型アレルギー疾患.
IgE結合好塩基球 や 肥満細胞 に抗原が反応すると ヒスタミン,
セロトニン,ある種の ロイコトリエン,プロスタグランディン
等が放出され,数分〜数時間内に 血管透過性亢進,平滑筋収縮,
粘液分泌亢進 等の症状が出現する.
・気管支喘息
・蕁麻疹
・消化管アレルギー
・アナフィラキシーショック
・花粉症
2型 自己 または 他人によって産出された抗体が組織細胞と反応,
補体系が活性化されて細胞障害を生ずる型.
・一部の糸球体腎炎
・特発性血小板減少性紫斑病
・血液型不適合
3型 免疫複合体( 抗原抗体結合型 )が組織に沈着した結果,
好中球 や 血小板 が反応し,放出された プロテアーゼ や
ヒスタミン 等により組織障害を生ずる型.
・ジフテリア や 破傷風 等の
 抗血清投与で起きる 発疹,
 関節炎,腎炎 ( 血清病 )
・膠原病での血管炎,腎炎
4型 遅延型アレルギー反応.
抗体の関与しない反応で,リンホカイン産出T細胞 が抗原と反応
して放出する リンホトキシン により組織細胞が傷害される型.
・ツベルクリン反応
・接触性皮膚炎
5型 免疫反応によって細胞機能が刺激されて生ずる過剰反応. ・一部のバセドウ病

T型アレルギー反応の抑制機序による抗アレルギー剤の分類
・アステミゾール
・エバスチン
・塩酸アゼラスチン
・塩酸エピナスチン
・塩酸オロパタジン
・塩酸セチリジン
・塩酸フェキソフェナジン
・オキサトミド
・テルフェナジン
・フマル酸エメダスチン
・フマル酸ケトチフェン
・ベシル酸ベポタスチン
・メキタジン
・ロラタジン
塩 基 性 抗 ア レ ル ギ ー 剤 化学伝達物質遊離抑制
( 酸性抗アレルギー剤 )

・肥満細胞安定化
・5-リポキシゲナーゼ阻害
・化学伝達物質合成阻害
トロンボキサンA2
合成阻害剤
・塩酸オザグレル
Th2 サイトカイン
合成阻害剤
・トシル酸スプラタスト
そ の 他 ・アンレキサノクス
・イブジラスト
・クロモグリク酸ナトリウム
・タザノラスト
・トラニラスト
・ぺミロラストカリウム
・レピリナスト
化学伝達物質拮抗

・ヒスタミン
・トロンボキサンA2
・ロイコトリエン
・血小板活性化因子
ヒスタミン( H1 )
受容体拮抗剤
・塩酸イソチペンジル
・塩酸ジフェンヒドラミン
・塩酸シプロヘプタジン
・塩酸トリプロリジン
・塩酸ヒドロキシジン
・塩酸プロメタジン
・塩酸ホモクロルシクリジン
・酒石酸アリメマジン
・タンニン酸ジフェンヒドラミン
・テオクル酸ジフェニルピラリン
・パモ酸ヒドロキシジン
・フマル酸クレマスチン
・マレイン酸クロルフェニラミン
ロイコトリエン
受容体拮抗剤
・ザフィルルカスト
・プランルカスト水和物
・モンテルカストナトリウム
トロンボキサンA2
受容体拮抗剤
・セラトロダスト
・ラマトロバン
  その他
・IgE抗体産生抑制
免疫抑制剤 ・タクロリムス水和物

酸性 / 塩基性 抗アレルギー剤
  便宜上の分類で 水溶液の pH に起因するものではない.
従来は カルボキシ基 を有するものを 酸性,3級アミン構造 を有するものを 塩基性 と称したが,
化学構造,薬理作用 の多様化に伴い,分類基準が曖昧なものとなっている.
ここでは 化学伝達物質拮抗作用 の有無による分類を試みたが,従来 抗ヒスタミン剤 とされていた
薬剤が 化学伝達物質遊離抑制作用 を有するなど,混乱の様相を呈している.
化学伝達物質拮抗剤
  ・ヒスタミンH1受容体拮抗剤 ( 抗ヒスタミン剤 )
・トロンボキサンA2( TXA2 )受容体拮抗剤 
 平滑筋や 血小板の トロンボキサンA2受容体に特異的に結合し,強力な生理活性物質である
 TXA2による 血管透過性亢進 及び 炎症性細胞浸潤 を抑制する.
・ロイコトリエン( LT )受容体拮抗剤 
 LTC4,LTD4,LTE4 の受容体に選択的に結合してその作用に拮抗する.
 ヒスタミン,アセチルコリン,セロトニン 等には拮抗作用を示さず,アラキドン酸代謝酵素にも
 ほとんど影響を与えないとされる.
・血小板活性化因子( PAF )阻害剤 

薬の知識 Vol.51, No.12 (2000)
 328-331:竹中 洋:最近の治療薬−抗アレルギー薬の位置付け
医薬ジャーナル Vol.34, No.1 (1998)
 403-410:柴崎 政修:抗アレルギー剤の使い方−抗ヒスタミン H1剤
 411-417:高木 健三:抗アレルギー剤の使い方−酸性抗アレルギー剤
 418-422:中村 陽一:抗アレルギー剤の使い方−塩基性抗アレルギー剤

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